2011年01月05日
満足死

『満足死』奥野修司
佐賀の田舎で地域医療に励む疋田善平医師が提唱する「満足死」
疋田先生によると、「人間は三度死ぬ」と言います。
まず、定年などによって、社会のため、人のために貢献できなくなること、
これが「社会死」。
次に自分自身の身の回りの世話ができなくって、
寝たきりになり、おむつをしたりする。
これ「生活死」
最後に、心臓が止まって死亡する。
これ「生物死」
本人も家族も一番、辛いのが、この3つの死の間に20年とか30年ある場合。
日本人に「あなたは両親の面倒を最後まで看ますか?」と聞かれると、
75%は「面倒看る」と答える。
しかし、実際は20%しか実行していない。
期待と現実には大きなギャップがあるのだ。昔とは違うんですね。
だから、これから年を取る場合、
誰にも面倒を看てもらえないことを前提に準備しないといけない。
疋田先生が一番、理想とするのが、
この「社会死」「生活死」「生物死」が時間差がなく、
同時に訪れること。
簡単に言えば、死ぬ間際まで働き続けると言うことです。
ただ、高齢になってからの労働は金儲け以外の動機で行なうこと。
金儲けが動機になると無理をしてしまうからだそうです。
この満足死を提唱してから、疋田先生が受け持つ地域で
劇的に寝たきりが減ったそうです。
作家の白州正子さんは、ある日、自分の死を予感したようで、
自分で救急車を呼び、待つ間に好物の食事を済ませ、
入院してそのままこん睡状態で亡くなったそうです。
死ぬ間際まで生きがい、仕事がある。
これが一番、いい死に方になるかもしれません。
Posted by パスター・レイ at 12:08│Comments(0)
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