2009年12月16日
傷ついた心を癒やす旅

「傷ついた心を癒やす旅」デビッド・L・トンプソン著
著者は、メソジスト派の牧師であり、
自分の家族に生じた問題を、赤裸々に語り、
そこからの回復を記している。
簡単に言うと、彼の家庭は、
親の世代から問題を見ないようにする否認家庭。
自らを善良な父であり、夫であると信じ込み、
ひたすら、信仰に打ち込み、きよめを教えていたわけです。
しかし、息子がドラッグをやり、娘が摂食障害になって、
そこから、問題が噴出する。
現実を直視することで、苦痛をともなうプロセスを通るが、
回復へと向かう。
外壁だけきれいにした理想的な家庭を維持するために、
子供や妻には本音を封印させたわけ。
この本を読むと、信仰というのは、このような否認を生きるのに、
うまい隠れ蓑になるということ。
それにしても、これだけ正直に書けることは勇気のいること。
後半からはエペソ書の釈義を載せているが、
心の問題を取り扱われたおかげで、
学問や教養を超えた、深い洞察が与えられたいる。
単に学者としてではなく、回復者として、真実がともなう著作である。
Posted by パスター・レイ at 21:22│Comments(0)
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