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2009年02月07日

「心の傷」は言ったもん勝ち

「心の傷」は言ったもん勝ち 

「心の傷」は言ったもん勝ち  中嶋聡

沖縄の南部で「なかまクリニック」を開業しているそうで、

そのこともあって、読んでみたのだが、

面白かった。

ボクは常日頃、傷ついた人とのかかわりの中で、

その痛みに同情する一方で、

その傷から抜け出すことの難しさを感じている。

結論から言うと、「治りたい」と心から本人が願うとき、治ると考えている。

そんなこと言うと、「治りたくない人なんかいない」と言われるだろう。

しかし、「疾病利得」と著者が言っているように、

心が病むということは利もあるのだ。

病気だから同情される、かまってもらえる。

被害者の側でいられる。

仕事を休める。

責任を問われないですむ。

そのへんは無意識に反応するもので、本人の意識では

いたって、治りたいと願っている。

ハイジに出てくる足が不自由なクララのように、

本人は歩きたいと願いながらも、無意識では

立って歩き始めることに、大きな不安と恐れを覚えていて、

機能的には問題なくても、その人の無意識が歩くことを望まず

その人を歩けないようにしているものだ。

聖書の中で、重病の人にジーザスが

「よくなりたいか?」と聞いた。

そりゃ、苦しんでいるんだから、治りたいに決まっているだろう。

じっさいは、その人は、苦しみの中で自己憐憫になり、

ブルースを歌うことで人生をあきらめていた。

「立って、寝床をたたんで歩きなさい」そう言って、

その彼の「治りたい」という意思を呼び覚ましたのだ。

この手の本は波紋を呼ぶので、

アマゾンの評価も極端である。

それだけ、問題提起した本です。





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Posted by パスター・レイ at 14:20│Comments(2)本の紹介
この記事へのコメント
確かに賛否両論ありそうなタイトルですね。読んでみたいです。
Posted by まっきー at 2009年02月07日 20:01
マッキーへ

全面的に賛成はしていませんが、
この先生のような気持ちにボクもたまになったりします。
ちょっと共感する部分があるんです。
本としてはおもしろいですよ。
Posted by パスターレイ at 2009年02月10日 12:09
 
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