2008年12月27日
フロイス日本史

フロイス日本史第三巻:「安土城と本能寺の変―織田信長篇』
戦国時代の日本に、フランシスコ・ザビエルに続いてイエズス会から送られた
伴天連(バテレン)宣教師フロイスの見た日本を描写した日本史。
彼の文才ゆえに、長編であるこの書は、その時代の日本を知るための第一級の
資料になっているそうだ。
特に、フロイスは織田信長、豊臣秀吉と言った有名人と仲が良かった。
この本を読むと、ポルトガル人の視点ではあっても、
二人の武将の人柄がよくわかる。
フロイスの二人に対する文を読むと、
秀吉より、信長をいたく尊敬している。
フロイスにとって信長は魅力的な人に映ったようだ。
逆に秀吉は女狂いの悪知恵の働く世渡り上手みたいな感じで書いてある。
あと、余談だが、秀吉は右手か左手忘れたが
どちらかの手の指が6本ある奇形だと書いてある。
こんなこと、日本人は書けないなと。
信長は、遠路はるばるすべてを犠牲にして、日本に骨をうずめるために
命がけの航路の果てにやってきた伴天連を
とても、丁重にもてなし、VIP扱いしている。
その当時の堕落した僧侶を忌み嫌っていたのとは対照的に、
伴天連には良い印象を持っていたようだ。
信長がキリシタンになったら、日本の歴史はどうなっていたかな?
とか思ったりする。
ただ、フロイスによれば、晩年の信長は権力が集中し、
城に自分の象を造らせ、それをみなに拝ませていたそうだ。
フロイスの目には、初期の頃の人間味あふれる信長から、
死の直前は、独裁者として堕落したように見えたようだ。
いつも、自分に言い聞かせていることだが、
生まれる日より、死ぬ日。最初より最後。
晩節を汚さぬこと。
少しずつでいいから、変化し、最後に神の前で頭を垂れる人間でいたい。
Posted by パスター・レイ at 22:39│Comments(0)
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