2006年09月10日
言霊

シャンソン歌手エディット・ピアフの歌というのは、バラードであろうが、ノリノリの曲であろうが、
何か、寂しさ、せつなさを感じさせる。胸がしめつけられるような。
その理由が、彼女の特集番組を見て、わかった気がする。
父親と折り合いが悪く、15歳で家を飛び出し、路上で、歌を歌って生計を立てる。
16歳で恋に落ち、17歳で出産。しかし、2年後に子供を失う。
その後、売れっ子になるが、私生活は麻薬や恋愛でボロボロ。
ある有名なボクサーと恋愛をし、やっと、幸せをつかんだかに思えた。しかし、
彼は飛行機事故で帰らぬ人となる。
その悲しみに暮れる中、彼に対する愛を歌ったのが、「愛の賛歌」だと言われる。
越路吹雪さんが、宝塚を引退し、一般人として、平凡に暮らそうとしていたらしいのですが、
フランス旅行で、彼女の歌を聴いて、衝撃を受け、そのまま歌手になったそうだ。
言霊(ことだま)と言ったりする。言葉には、霊やら、魂がのっかって、伝わる、という考え。
まさに、ピアフの歌には、音声だけではなく、彼女の背後にある、人生がのっかっている。
人を愛する喜び、悲しみ、せつなさ。それが表現されているんだと思う。
だから、聴く人の魂を揺さぶる。
あるカウンセラーの方がいるのですが、彼は不登校児から、さまざまな問題をかかえた少年を今ま
で、面倒見てきた。だから、彼らの心の痛み、傷を自分のものとして、共有してきた。
そういう、少年を見ると、感情移入できる。
ある時、彼が言った。「夜中、暴走族が爆音を響かせると。その音が『オレを愛してくれ、わかってくれ』
と言っているようにしか聞こえない。」そう言った。
どんなにつっぱったり、心を閉じた少年でも、彼が「つらかったんだね」と一言、言っただけで、号泣す
る。それは、単なる言葉でもなく、テクニックでもない。その人の通った人生が人をいやしている。
ボクが牧師になるために、お世話になった人がいるんですが、その人がよく言っていた。
「苦しみを知らない人は役に立たない」
自分の通った苦難や不条理な出来事の中で、もし、それが肥やしとなり、これから、出会う人のため
に役に立つ人に変えられるためのものであるなら、無理やりそれを遠ざけるのではなく、苦しみも、悲
しみも歓迎したい。
最後に、星野富弘さんの言葉を紹介します。
「私は傷を持って いる。でも、その傷の所から、あなたの優しさがしみてくる。 」
Posted by パスター・レイ at 18:31│Comments(2)
│音楽
この記事へのコメント
おはようございます、レイ師。。
すばらしいお話有り難うございます。
人は悲しみが多いほど、人には優しくできるって
何かの歌にもありましたね。
私もここ数年いろいろありましたが、
人に優しく接することが出来ればいいと思います。
レイ師に助けられて感謝してますよ。。
それから、飛行機事故で亡くなったボクサーって
もしかして、ロッキー・マルシァノですか?
すばらしいお話有り難うございます。
人は悲しみが多いほど、人には優しくできるって
何かの歌にもありましたね。
私もここ数年いろいろありましたが、
人に優しく接することが出来ればいいと思います。
レイ師に助けられて感謝してますよ。。
それから、飛行機事故で亡くなったボクサーって
もしかして、ロッキー・マルシァノですか?
Posted by gen at 2006年09月11日 11:22
gen氏どうも。
ボクサーはマルセル・セルダンという、フランスの英雄らしいです。
昔は、白人の世界チャンプも多かったみたいですね。
それとも、黒人にチャンスがなかっただけですかね。
ボクサーはマルセル・セルダンという、フランスの英雄らしいです。
昔は、白人の世界チャンプも多かったみたいですね。
それとも、黒人にチャンスがなかっただけですかね。
Posted by パスターレイ at 2006年09月11日 18:24