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2009年10月19日

さまよう刃

さまよう刃

さまよう刃

かつては「デッドマンウォーキング」

最近では邦画の「手紙」など加害者の側から描いた映画があります。

今回は被害者の苦悩を描いた映画。

そういえば、「帰らぬ日々」「シークレット・サンシャイン」も、

子供を殺害される親の苦悩を描いた映画だった。


しかし、ヘヴィ度ではこの「さまよう刃」の方がダントツですね。


主人公の寺尾聡は妻を亡くして、娘だけが生きる意味をなしていた。

それなのに、レイプ犯によって殺害されてしまう。

しかも、その犯行ビデオを見てしまう。(このシーンはやりきれない)

それ以降の彼の人生は失われており、復讐だけが彼の存在理由となる。

寺尾が泊ったペンションのオーナーも母子家庭であり、

彼にいたく感情移入し、彼にライフルを手渡す。

娘をもつわが身として、寺尾の肩を持たずにはいられない。


山口県光市の母子殺害事件は映画ではなく、じっさいにあったわけで

被害者遺族の苦悩はいかほどであろう。

現行の日本の法律では、彼らはさらに苦しむことになる。


寺尾聡の復讐は怒りというより、深い悲しみが伝わり、

なんともやりきれない映画だ。

過去に赦しをテーマにした本を紹介したが、

人を本当の意味で赦すということは、

まさにアメージングであり、人間に本来なせるものではない。

だから、赦しを基準に世の中の事件を見るつもりはない。

個人的には一般社会では「目には目、歯には歯、命には命」

もちろん、加害者にも同情すべき背景はある。

しかし、この映画を見たら、それらは吹っ飛んでしまうインパクトがある。


ある意味、ホラーより怖い映画です。


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Posted by パスター・レイ at 19:16│Comments(0)映画/テレビ
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