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2009年07月31日

映画:シークレット・サンシャイン

映画:シークレット・サンシャイン

シークレット・サンシャイン

韓流映画ですが、ラブストーリーとは違う、

異彩を放つ映画です。





ネタをすこしばらします。


最近、「アーミッシュの赦し」という本を紹介したが、

子供を殺害した犯人とその家族を遺族が赦したと言う内容。

この映画も、誘拐犯に一人息子を殺害されて苦悩する映画。

ヒロインは交通事故で夫を亡くし、

傷心の中、夫の故郷に息子と二人で移り住む。

彼女の生き方のキーワードは虚像と言ったらいいか。

夫を愛して、その遺志を継いで、夫の故郷に住んだ、

けなげな妻という感じであったが、実は、夫は浮気中に事故に遭っていた。

しかし、それを認められず、夫に愛されたと思い込んでいる。

そして、ピアノの先生をしているが、自分を都会の音大を卒業した

優秀なピアニストに見えるように振舞う。

さらに、土地を買う振りをして、お金を持っている振り。

結局、そのことがあだとなり、子供が誘拐される。

子供は殺害されてしまう最悪の事態になり、

気が狂うほどの苦悩の中で、隣に住む薬局屋のクリスチャンの誘いで

教会に通うようになり、神を信じる。

彼女に笑顔が見え始め、自分は過去を忘れて、新しく生まれ変わったことを

人々の前で証しする。

一見、彼女はいやされ、心も和らいだように見える。

確かに、しばらく続いた絶望状態は過ぎ去った。

しかし、たまに垣間見える心の痛みは去ることはない。

ここがポイント。

彼女はクリスチャンになっても、虚像を作るのだ。

自分は敵を愛するクリスチャンになったのだ。

笑顔で、喜びにあふれている自分を演じる。

その理想像が犯人と会った時、崩壊する。

犯人は顔色もよく、微笑みさえも浮かべている。

そして、「自分も刑務所で神を信じた。自分の罪を赦してもらった」。

その瞬間に、ヒロインは抑えようもない憎しみに支配される。

その後の彼女の行動は目を覆うばかりだ。

この映画は自分を傷つけた人、人生を狂わせた人を赦すことが

いかに難しいか、教えてくれる。

ましてや、愛する一人息子を殺害した犯人を赦すのは人間にできることではない。

愛するとは、「相手の幸せを願い、そのために手助けをする」ことである。

ボクが確信することは、本当に純粋な赦しというのは、

生まれながらの人間には不可能と言うことだ。


人はお互いに見える表面的な自分に気を配る。

その一部分の人に見えるところを着飾って、よく見せようとする。

海の中にある深層は無視する。

きれいごととよく言うが、自分が理想とするファンタジーの世界で

生きようとして、自由を失う。

赦したと思っても、その深いところでは、いろんな複雑な感情があるはずである。

その痛み、悲しみを少しずつでいいから、認めていく。

そして、その感情を表現する。

バイブルの詩篇109篇に、ダビデが敵に対する憎しみを露骨に表現している。

彼はいつも、神の前に正直に汚い自分も注ぎだす。


この映画は、神を信じたと言っても、本音の部分で人は神に触れてもらわないと、

いやされない。かえって、悪を助長させてしまう危険性さえあることを教えてくれる。


そして、この映画では、ヒロインのことを、クリスチャンたちは

「夫、子供を失ったかわいそうで、神が必要な人」と憐れんでいるが、

別に、不幸だから神が必要なのではない。

試練があるから神が必要でもない。

すべての人間には幸いな日も試練の日もいつでも、神を中心において生きる存在だからだ。

ジーザスを信じることは、痛みを緩和させる麻薬ではない。

かえって、心の深層までえぐって、悲しみをそのまま、

怒りをそのまま、リアルに体験させる。

醜い本当の自分に出会わせてくれる、そんな体験を与える。

しかし、だからと言って痛みや悲しみがあっても、絶望ではない。

そのただ中にジーザスがともにいる。

ボクらと一つになって、自分ではなく、ジーザスのいのちが内面で生き、

そして、人生に表現されていく。

そこから、人間には本来できない、敵を赦し、愛していく。

ヘヴィな内容ですが、人間の本質を教えてくれる映画です。


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Posted by パスター・レイ at 10:42│Comments(0)映画/テレビ
 
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