2006年09月15日
バーチャルから実体験へ
マックフルーリー
小児科の先生が言っていた本当の話。
ある若いお母さんが、生まれたばかりの乳児のことで、相談に来た。
お母さん「あのうちの子、おしっこが黄色いんです。」
医者「はいっ?」
お母さん「なぜ、青くないんですか?」
医者「はいっ?」
紙オムツのCMで、清潔感を出すために、おしっこを青くカムフラージュしているよね。
だから、このお母さん、赤ちゃんのおしっこは青いのだと思っていたらしい。
ボクらが二十歳ぐらいの時、ゲーム機が家庭に普及したのですが、
その頃のゲームって、マリオとか、しろうとの落書きのような、単純な絵でした。
今は、64ビットゲームとか、とてもリアルになっている。
しかし、どんなにリアルに近づこうと、バーチャルには変わりない。
人間は生き物であり、人格がある。関係は、実体験によって学ぶもの。
グットウィル・ハンティングという映画がある。
天才青年であるウィル(マット・デイモン)は、幼い頃の性的虐待がトラウマになり、なかなか心を開け
ずに、セラピストのショーン(ロビン・ウィリアムス)のセラピーを受ける。
ウィルは傷つきまいとして、知識でショーンを攻撃する。ショーンはベトナム戦争帰りで、最近、愛する
妻を失い、失意の中にあり、このセラピーで彼は傷つく。
ある治療の中で、いつものように、豊富な知識でやりこめるウィルに対して、ショーンは言う。
「君はミケランジェロについて、その手法、色彩、美術的批評を完璧にできるだろう。
しかし、君はシスティーナ礼拝堂の匂いをかいで、すばらしい天井画を見上げたことはない。
君に戦争について尋ねたら、フィクションでもノンフィクションでもいろんな資料をについて話すだろう。
でも、君は本当の戦争を知らない。ベトナムに行って、親友の頭を自分の膝にかかえて、助けを求め
ながら、息を引き取る姿を見たこともない。
君は愛について14行の詩を並べることはできるだろう。しかし、君は愛する女性をしっかり見つめたこ
ともなければ、自分をさらけだしたこともない。本当に愛する者を失うことがどんなことなのか、君は知
らない。」
それから、ウィルは心を開くようになり、トラウマは回復へと向かう。
マザーテレサは「愛は傷つく」と言った。
知ってることと、生身の人間とかかわると言うことは、違う。
バーチャルな世界がどんなにリアルに近づいても、体験したことにはならない。
つらくても、傷ついても、愛を学んでいきたいと思う。
Posted by パスター・レイ at 18:38│Comments(0)
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