2009年04月01日
悲しみの意味

「悲しみの意味」
冬があり夏があり
昼と夜があり
晴れた日と 雨の日があって
ひとつの花が 咲くように
悲しみも 苦しみもあって
私が私になってゆく
星野富弘さんの好きな詩です。
ある自動車事故で子供を失ったお母さんが、
その直後であるにもかかわらず、冷静に淡々と事故の様子を語り、
その顔には笑顔と思われる表情も見られた。
素人目には、「子供を亡くしたのに、何と薄情な」と思われるかもしれない。
まったく逆だ。
それは受け入れがたい、非情な悲しみの現実の前に、
人間は感情の防波堤を築くのだ。
そう、そのお母さんは深い悲しみを心の奥深くに閉じ込めたと思われる。
感情を押しこめたんだから、悲しみを感じない、喜びも感じない。
そうやって、自分を守るしかなかったのかもしれない。
しかし、これは後がたいへんなんだ。
その感情はなくなったわけじゃないから。
それは、生活の中で、亡霊のように、いろんな症状として表れる。
回復の道は、その現実の中で起こったことに対して、
反応した、その感情をそのまま出すことだ。
おもいっきり、泣いて、悲しむ。
つらいけど、出す。
その経過をたどれば、その出来事にいつか折り合いがつく。
そして、前に進めたらと思う。
人生に悲しみはつきものだ。
避けようとしても、避けられるものではない。
人の人生を作っていくもの
それは喜びや楽しみの間に、織り交った悲しみ、苦しみ。
そのコントラストで人は生きていることを実感し、
豊かな人格が培われていく。
悲しみを無理して避けないように、受け止めようと思う。
すべては、神の御手の中で、豊かないのちに変えられていく。
Posted by パスター・レイ at 19:10│Comments(0)
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