2006年09月30日
666
イスラエルから持ってきた種で
実ったバナナ
ボクは知る人ぞ知る、格闘好き。
アントニオ猪木とモハメド・アリの試合もテレビで見て、燃えたのも30年前。
今夜もK-1がありますが、早く帰って、見よ。
数年前にピーターアーツの試合をテレビで見ていた。
アーツはオランダ風の黒と赤のチェックのベストを着て、入場。
20世紀最後の暴君と言われ、当時、最強のキックボクサーだ。
自信に満ち溢れた顔つきのアーツの入場シーンを見ていると、チャックのベストの下に
着ていたTシャツに目がとまった。「666」
そう、バイブルに出てくる悪魔の数字は666.
アーツは悪魔崇拝者なのか、はたまた、秘密結社なのか、
ただ、売ってたTシャツを買っただけなのか。とにかくわからないが、
ボクのボクシーとしての、魂が義憤にかられる。
「おおー。神様。こんな666のTシャツを着たやつを勝たせちゃいけません。
彼に、制裁を加えてください。このゴリアテ(バイブルに出てくるばけもん)のようなアーツを、
ぶっ倒す、ダビデ(イスラエルの王になる少年、ゴリアテを倒した)を送ってください。
そう祈ったんだよ。
そしたら。。。。「ちゃっちゃちゃーちゃちゃらーん」。。。。。
赤コーナーから入場する挑戦者のテーマが流れる。
「ちゃちゃちゃ~~~ん。ちゃちゃちゃちゃ」
「あれっ。どこかで聞いた音楽」
そう、多くのクリスチャンが知っている「セレブレイト・ジーザス」であった。
「おおっ。彼はクリスチャンだ。神は666を打ち砕くために、ダビデを送りたもうた。」
感動であった。
名前は忘れたが、カナダ人の小さい男だった。そして、ガウンを脱いでびっくり。
そこにいたのは、ブヨブヨのデブにブリーフを着た変態みたいな男。
会場は大爆笑。。。。彼は、ブリーフ男と命名される。
しかし、ボクはそれでいいと思った。強そうなやつがアーツに万が一勝っても、みんな当然と思う。
このブヨブヨのブリーフ男がアーツに勝ったら、みんなは、その時、「神の送ったダビデ」であることを
知るだろう。
「ふふふっ」ボクが戦うわけではないのに、武者震いしてきた。
「カ~ンッ」
ゴングは鳴った。アーツは楽勝を確信しているのか、にやにやしている。
ブリーフ男はちょこまかと、リングを回る。出会い頭に驚かそうと、
アーツがストレートを打とうとした、その瞬間、ブリーフ男のバックアンドブローが炸裂。
アーツの顔がよじれる。ヒット。
「おおっ。神の拳だ。アーツ。次からは、666Tシャツをはずしなさい。」
やさしく、テレビに向かって、忠告するボクであったが。。。
それでもダウンはせず、何とか、アーツ持ち直す。
アーツの目が先ほどの余裕はなくなった。いや、恐い、本気モードであった。
それから、アーツは猛ラッシュ、ブリーフ男、一転ピンチ。
ダウン、ダウン。
「うわおぉ。神の使者ダビデが負けるはずはない。」
何とか、立ち上がったが、獣と化したアーツは襲い掛かる。
「ダビデがっ。ダビデがっ。なぜだー」
悔しかった。666が大喜びだ。
「神様。ダビデが666に負けるなんて。。。。ううっ。。。信じられないー。。」
その後、人気者になった、ブリーフ男のロッカールームへカメラが入った。
KOされて、さぞ、がっかりしているだろう。
インタビュアーが質問した。
「今日の試合。残念でしたね。感想は?」
ブリーフ男 「負けたけど、一生懸命戦った。悔いはない。俺には神がともにいる。そして、あなたの心
の中にもいる。神はすばらしい。わっはっはっは。。。。。グッバイ。ゴッド・ブレス・ユー」
彼は、笑いながらロッカールームを後にした。
インタビュアーが言った。「負けた後、こんな輝いている選手ははじめて見た。」
アーツを倒してほしかったけど。
しかし、ブリーフ男は、もっと、素晴らしいものを、人々に与えたんだ。
そうだ、彼はダビデだったのだ。
※後に、ブリーフ男の負けっぷりがよかったのか、エスカップのCMに彼は出ていた。
もちろん、KOシーンで。
Posted by パスター・レイ at 20:51│Comments(0)
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