大丈夫、日本一
先月、ローマのG7閉幕直後の、世界中が見ている会見で、
酩酊状態でコメントし、醜態をさらしてしまった中川さん。
日本中からバッシングを受けて、財務大臣辞任を覚悟して、
日本に帰国後、空港からそのまま、家に帰ろうとした。
すると、家の前には多くの報道陣が待ち構えていた。
中川さんは、どうしてもコメントしなければならず、
囲み取材を受けた。
当然、批判的な質問が飛び交い、中川さんもバツが悪い。
そんな取材の最中に、マイクに女性の声が聞こえる。
「お父さん、がんばって、大丈夫、日本一」
それは、顔は映らないが、中川さんの奥さんの声だ。
その声がテレビで流れ、今度は、夫婦でバッシングを受けた。
この夫にして、この妻あり。
「バカ夫婦」などと言われた。
夫の失態を真摯に受け止めて、一緒に謝罪するのが、妻の役割だと
ある評論家は言っていた。
でもね、ボクはこの奥さん、素晴らしいと思うよ。
バカをさらした夫と一緒にバカになれるって、なかなかできない。
中川さんは、政治家として重要な仕事の前には、
酒を飲まずにはいられなかったと聞く。
それだけ、小心者で、本来、政治家に向いていないのかもしれない。
それでも、何とか、逃げ出さずに、責任を果たそうとした。
しかし、ぼろが出て、失態をさらした。
そんなバカな自分を、背後で応援する人が一人でもいるということは、
救われるんじゃないかな。
ボクが高校生ぐらいの時に、中川さんの父の中川一郎さんが
現役の政治家として全盛の頃に自殺した。
記憶では、人情味があり、影響力のある、大物政治家だったような気がする。
そのお父さんが死んで、その後を継いで、中川さんは政治家になった。
年を重ねて、重責のある政治家としての仕事を続けていくうち、
父親の運命と自分が重なったのかもしれない。
それで、酒を飲むようになったのかは、わらかないが、
はたから見ても、かなり病んでいる。
そんな、夫を見たときに、奥さんのとった態度は、
「おとうさん、大丈夫、がんばって、日本一」
いや~、いいと思うよ。
自分の愚かさを知った上で、応援してくれる人がいると、救われる。
阪神タイガーズの応援団のように、
負けても、負けても、腹を立てながらも、
また、次の試合には、応援をしている。
やがて、阪神は強い球団になったじゃないか。
どんなバカでも、背中で声援を受けて、変わることもあるかもしれない。
中川さんによって、奥さんは日本一の応援団長だな。
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