大丈夫、日本一

パスター・レイ

2009年03月09日 01:58

先月、ローマのG7閉幕直後の、世界中が見ている会見で、

酩酊状態でコメントし、醜態をさらしてしまった中川さん。

日本中からバッシングを受けて、財務大臣辞任を覚悟して、

日本に帰国後、空港からそのまま、家に帰ろうとした。

すると、家の前には多くの報道陣が待ち構えていた。

中川さんは、どうしてもコメントしなければならず、

囲み取材を受けた。

当然、批判的な質問が飛び交い、中川さんもバツが悪い。

そんな取材の最中に、マイクに女性の声が聞こえる。

「お父さん、がんばって、大丈夫、日本一」

それは、顔は映らないが、中川さんの奥さんの声だ。


その声がテレビで流れ、今度は、夫婦でバッシングを受けた。

この夫にして、この妻あり。

「バカ夫婦」などと言われた。


夫の失態を真摯に受け止めて、一緒に謝罪するのが、妻の役割だと

ある評論家は言っていた。

でもね、ボクはこの奥さん、素晴らしいと思うよ。

バカをさらした夫と一緒にバカになれるって、なかなかできない。

中川さんは、政治家として重要な仕事の前には、

酒を飲まずにはいられなかったと聞く。

それだけ、小心者で、本来、政治家に向いていないのかもしれない。

それでも、何とか、逃げ出さずに、責任を果たそうとした。

しかし、ぼろが出て、失態をさらした。

そんなバカな自分を、背後で応援する人が一人でもいるということは、

救われるんじゃないかな。


ボクが高校生ぐらいの時に、中川さんの父の中川一郎さんが

現役の政治家として全盛の頃に自殺した。

記憶では、人情味があり、影響力のある、大物政治家だったような気がする。

そのお父さんが死んで、その後を継いで、中川さんは政治家になった。

年を重ねて、重責のある政治家としての仕事を続けていくうち、

父親の運命と自分が重なったのかもしれない。

それで、酒を飲むようになったのかは、わらかないが、

はたから見ても、かなり病んでいる。


そんな、夫を見たときに、奥さんのとった態度は、

「おとうさん、大丈夫、がんばって、日本一」

いや~、いいと思うよ。


自分の愚かさを知った上で、応援してくれる人がいると、救われる。


阪神タイガーズの応援団のように、

負けても、負けても、腹を立てながらも、

また、次の試合には、応援をしている。

やがて、阪神は強い球団になったじゃないか。

どんなバカでも、背中で声援を受けて、変わることもあるかもしれない。


中川さんによって、奥さんは日本一の応援団長だな。






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