最近、来沖して講演をしたミズーリ大学のダニーウエディング博士によると、
アメリカの若者の自殺者の共通点はほとんどが、親が低学歴、低所得者だと。
理由はよくわからないが、博士が察するに、
親が低学歴、低所得によって、苦労し、そのことがコンプレックスになり、
その負のスパイラルによって、子供の世代に流れていくということだと推測。
アメリカの起こることは、10年後に日本で起こると言われる。
この問題は日本でも起こる。いや、もう起こっているだろう。
多くの企業で派遣社員は人事課扱いではなく、物品課だと。
人が物として扱われいる現実。
こんな価値観の中で、人間の尊厳を保てるはずがない。
バイブルの価値観は人のDO(行為、才能、学歴、地位、お金など)で評価されない。
ただ、神が人間を愛するゆえ、その存在が尊いとされる。
しかし、この世の中はどんどん、人間が物のように扱われ、
進化論的価値観によって、強い者が生き残り、弱い者が淘汰される。
これは間違っているし、誰でも、神の前に平等に愛され、尊ばれるべきだ。
しかし、世の中は弱肉強食で、サバイバルがあり、
ある程度の資本(技能、資産、教養)がないと、健やかさを奪われてしまう世界。
その2つのジレンマの中で、子供を育てている者として苦悩するのである。
子供はその個性を尊重し、好きなように、自由に育てたい。
だが、夢を見るだけでは現実のサバイバルに立ち向かえない。
子供にはできるだけ、良い条件をもって、出て行かせたい。
長女は美容師に憧れ、次女はケーキ屋さんになりたいそうだ。
それはそれでかなえてあげたいのだが、
これが、ずっと変わらない夢なのか、美容師、ケーキ職人としての才能はあるのか?
そんなことを考えたら、どんなことにも対応できるように資本を持たせたい。
だから、負担でも塾に通わせて、勉強させている。
基礎学力をつければ、将来のどんな夢にでも対応できるだろう。
人の評価は学歴や地位ではないし、子度の成績の良し悪しで、
愛したり、悪いから価値を下げるような発言をしてはいけない。
しかし、世の中は能力主義だ。
性格は良いが手術はヘタくその医者と、性格は悪いが手術は超一流の医者。
どっちを雇うかと言ったら、答えは決まっている。
子供たちに自由にやらせた結果、とくにスキルもなく、
仕事も限られ、収入も少ない。それで、世の中で低められて、
過酷な扱いを受けてほしくないと思う。
ダブルスタンダードじゃないが、
人間の存在価値には存在自体を尊いとする価値観で接し、
しかし、世の中に対応できるように、できるだけ能力を磨いて
送り出す。
そう考えています。
人生、80年として、できるだけ健やかでありたい。