ものさしを変える
オーケストラ指揮法に高木さんの価値観の変化が、
子どもたちにも広がった話が載っている。
高木さんの奥さんは小学生の頃にお父さんを亡くして、
そのお父さんからもらった筆箱を形見として持っていた。
その筆箱を末っ子のお嬢さんに持たせた。
学校でその筆箱をカバンから出した瞬間、
クラスのみんなが集まって来た。
なにせ50年以上前の品物です。
その中のリーダー格の男の子が、
「お前の筆箱、古いやないか。俺のはこんなんやで。」
そう言って、新しい筆箱を見せて自慢した。
今にも、みんなに笑われ、いじめにさえなりそうな雰囲気の中、
娘さんはニコッ笑って、
「ねっ、古いでしょ。いいでしょ¨。これはお母さんが大切に使っていたんだって。
おじいちゃんの形見なの。私も大事に使って、私の子供にあげるの。」
一瞬、シーンとなり、
その男の子が
「ふーん。ええな。」と言った。
こういう価値観を失っているような気がする。
ものさしを変えれば、人間には幸せは大きく開かれているかも。
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