日本を降りる若者たち

パスター・レイ

2008年08月30日 20:31


日本を降りる若者たち 」下川裕治著書

日本で生きることに、閉塞感を感じ、

タイに渡り、安いゲストハウスに宿を取り、

そこで、何か月も、あるいは1年もなにもせず、暮らす若者たち。

そういう人たちは、大使館も把握できてないので、

正確な数字はかわからないが、数万人とかいるようなことが書いてある。

日本で数か月、メーカーの工場で集中して働いて、金を貯め、

お金ができたら、タイに渡る。

お金がなくなると、お金を作るため短期間日本へ。

これを繰り返している「外ごもり」と言われる若者たち。

ニートやひきこもりは社会問題になり、

日本では働けるのに働かない者には風当たりは強い。

もちろん、体は健康なんだが、

働く意欲とか、会社の人間関係を築く能力が乏しく、

日本ではうまく立ち回れない。

だから、日本で就職せずに

日本を避けて、タイに渡る。

タイでは、働かない人がいても、何とも思わないんだって。

だから、居心地がいいらしい。

彼らに共通しているのは、家族関係がよくない。

親との絆が切れているから、

何をやるにも不安で、怖くて、緊張する。

社会に出て、働く前にすでに、負けていて、

戦う前にリングから降りてしまったような人たちだ。

読んでて、とても切ない気持にさせられる。

日本の大きな闇を教えてくれる、そんな本だ。

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