日本を降りる若者たち
「
日本を降りる若者たち 」下川裕治著書
日本で生きることに、閉塞感を感じ、
タイに渡り、安いゲストハウスに宿を取り、
そこで、何か月も、あるいは1年もなにもせず、暮らす若者たち。
そういう人たちは、大使館も把握できてないので、
正確な数字はかわからないが、数万人とかいるようなことが書いてある。
日本で数か月、メーカーの工場で集中して働いて、金を貯め、
お金ができたら、タイに渡る。
お金がなくなると、お金を作るため短期間日本へ。
これを繰り返している「外ごもり」と言われる若者たち。
ニートやひきこもりは社会問題になり、
日本では働けるのに働かない者には風当たりは強い。
もちろん、体は健康なんだが、
働く意欲とか、会社の人間関係を築く能力が乏しく、
日本ではうまく立ち回れない。
だから、日本で就職せずに
日本を避けて、タイに渡る。
タイでは、働かない人がいても、何とも思わないんだって。
だから、居心地がいいらしい。
彼らに共通しているのは、家族関係がよくない。
親との絆が切れているから、
何をやるにも不安で、怖くて、緊張する。
社会に出て、働く前にすでに、負けていて、
戦う前にリングから降りてしまったような人たちだ。
読んでて、とても切ない気持にさせられる。
日本の大きな闇を教えてくれる、そんな本だ。
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