虫の声とか、川のせせらぎなんかを、日本人は心地よい音としてとらえる。
しかし、西洋人一般にはそれらは、雑音、ノイジィーな音としてしか、聞こえないなんだって。
見るもの、聞くもの、その判断は、その人の心を表している場合が多い。
フランシスコ・ザビエルが日本に上陸して、日本人を観察して回り、そのレポートを
本国に送っています。その内容は、「日本国民は私が出会った民族の中で、最も優れている。日本人
は一般的に良い素質をもち、悪意がなく、交際していて非常に感じが良い。」
ザビエルの帰った後、ガブリエルという新しい宣教師が日本にやって来た。
そして、彼も、日本人を見て、観察して、ザビエル同様、レポートを本国に送った。
「私は日本人ほど傲慢、貪欲、不安定で偽善的な国民を見たことがない。」
二人の日本人に対する評価は全く逆でした。 どちらが正しいのでしょう?
たぶん、どちらも正解だと思います。ただ違うのは、ザビエルとガブリエルの人を見る視点が違ってい
たんです。ザビエルは日本人の長所に目がとまりました。ガブリエルには、欠点が目についたんで
す・。
ボクが本土で働いていた時、職場の女の子の両親が、遠くから遊びに来たついでに、職場にも挨拶に
来た。その両親とは、初めて会うのに、ボクのことをよく知っていた。その女の子が、電話で職場の人
のことをいつも話すようだ。そして、ボクがすばらしい人で、彼女をいつも助けてくれると聞いている、と
深々とお礼を両親はしてくださった。とても、恐縮したのを覚えている。しかし、それはボクがすばらし
いのではなく、ボクを見る彼女がすばらしいからだ。ボクのした良くないことは、忘れ、良いことだけを
記憶にとどめている。それは、彼女の心の視点がそうだから。
もし、自分の視点を変えるなら、世界観が変わり、環境が変わり、人が変わり、人生が変わるだろう。
ある靴の販売メーカー2社が、インドの奥地に営業開拓に行った。
1社目の営業マンが、現地を調査して、本社に電話しました。「部長。だめです。この土地の人はみん
な裸足です。履物を履く習慣がありません。誰一人、靴を履いていません。撤退です。」
2社目の営業マンも電話しました。「部長。すごいです。靴をどんどん届けてください。この土地の人は
誰も靴を履いていません。みんなうちの客になります。」