映画《ブレス》

パスター・レイ

2009年09月08日 20:20



韓国映画「ブレス」


キム・ギドク監督という人は鬼才と言われて、

個性的な映画を作ることで有名なんだそうだ。

これ見たら、納得しました。

まあ、よくわからない映画で何とも言えませんが。。。



裕福で夫と娘の三人で幸せだったヒロインだったが、

夫の浮気で心が崩壊してしまう。

ニュースで死刑囚が自殺未遂を起こしたというのを知り、

その死刑囚の男に興味を持ち、彼に会いに行く。

刑務所の面会室を会うたびに、春、夏、秋と壁紙を張り替え、

季節にちなんだ歌を女は歌う。死刑囚の男は心を開いて、

死刑を前に絶望していた気持ちが前向きになっている。


その死刑囚は妻と子供を殺害するという男で

ヒロインは夫に浮気されて無気力になった自分と死刑囚を重ねているわけだ。

最後の冬の情景では、壁紙を貼らずに、なぜか面会室で

ヒロインが体をゆるし、肉体関係を結ぶというありえない設定である。

そして、その途中で、男とキスをしたまま、男の鼻をつまんで

窒息死させようとする。

あれほど、自殺願望があった男なのに、苦しくなるとヒロインを

突き放して、助かろうとする。

刑務所を出ると、夫と娘が無邪気に雪合戦をしている。

最後は、家族三人で日本でも有名な「雪が降る、あなたは来ない」

を歌って、終わる。

ヒロインは自分の虚無感をいやすために、

死刑囚に近づいて、彼に希望を与えるために努力した。

その過程で夫は浮気相手と別れて、彼女とやり直そうとする。

ヒロインも最後は、夫と娘と歌いながら元に戻った。

死刑囚は同じ部屋の若い男に愛されていたが、

嫉妬に燃えた青年に、最後、首を絞められて死ぬ。


けっきょく、ヒロインは自分の回復のために死刑囚を利用し、

最後に彼は余計に絶望が増し、死刑執行の前に死んでいく。


夫も浮気して妻を奈落の底に突き落すが、

妻を取り戻したいと思ったら、浮気相手を簡単に切り捨てる。

妻は死刑囚を振り回して、最後は夫を赦し、

仲を取り戻す。

この夫婦は自分たちがいやされる過程で、

多くの者を傷つけ、身勝手な愛に溺れ、

そして、最後はよりを戻すという、

なんか、やりきれない二人だな。

監督はそういう身勝手な人間を描きたかったのかな?

ボクはそう解釈しました。

この映画のキム・ギドク監督の次の作品は

オダギリ・ジョーが主演の悲夢ですので、

これを今度、レンタルしてみたいですね。

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